「どこに行っても治らない」のは、あなたのせいではない――診療科の壁と、その先にある診方

「整形外科で異常なし」「内科でも問題なし」「念のため心療内科へ」——そして心療内科でも「はっきりした原因はわかりません」。

こんなふうに、複数の科を渡り歩いても答えが出なかった経験はありませんか?

これは、あなたの症状が「大したことない」からではありません。現代医療の構造そのものに、一つの大きな壁があるからです。

診療科はなぜ「縦割り」なのか

現代の医療は、臓器・部位ごとに専門が分かれています。整形外科は骨・関節・筋肉、内科は内臓、神経内科は神経——それぞれの専門家が、それぞれの領域を深く診る構造です。

この専門分化は、急性疾患や手術など「明確な病変」には絶大な力を発揮します。しかし、症状が複数の領域にまたがるとき、あるいは「どの臓器にも異常が見つからない」ときに、壁が生まれます。

私が整形外科で経験したこと

理学療法士として整形外科クリニックに勤務していたころ、ある患者さんの痛みが、筋骨格系ではなく内臓からの関連痛である可能性に気づいたことがありました。

しかし、「整形外科疾患以外を扱ってはいけない」と言われました。

その患者さんはその後、内科へ、精神科へ、心療内科へと紹介されていきました。そして最終的に返ってきた答えは、「わからない」でした。

そのとき私は、強いもどかしさを覚えました。原因は見えているのに、「枠」があることで動けない。患者さんがたらい回しになっていく様子を、ただ見ていることしかできない——

この経験が、理学療法士と鍼灸師、両方の視点を持つことの意味を、私に深く考えさせるきっかけになりました。

「わからない」の裏側にあるもの

不定愁訴——はっきりした原因が特定できないのに、様々な症状が重なる状態——は、どの科の「専門」にも収まらないことがあります。

整形外科の検査では映らない。血液検査でも引っかからない。画像にも異常がない。

でも、「しんどい」という事実は確かにそこにあります。

筋肉の緊張の裏に内臓疲労が潜んでいることがあります。自律神経の乱れが、痛みの閾値を下げていることもあります。睡眠の質が低下することで、回復力が落ち続けていることも。これらは、一つの科の「レンズ」だけでは見えてきません。

大切なのは、「どの科に行くか」より「誰に診てもらうか」

私が今大切にしているのは、西洋医学的な評価と東洋医学的な診方、どちらも使えるということです。

姿勢・動作・神経系のアセスメントをしながら、経絡や内臓との関連も視野に入れて診る。「あなたは整形外科的に問題ありません」で終わるのではなく、「では、なぜその痛みが続くのか」を一緒に考え続けること。

それが、どの科の扉をたたいても答えが出なかった方に、私が提供できることだと思っています。

まとめ

診療科の壁は、医師や医療者が悪いのではありません。専門分化という構造の中で、誰もが誠実に動いています。

ただ、その構造に収まらない「あいだの症状」を抱えた方が、行き場を失っているのも事実です。

「どこに行っても治らなかった」という方に、一度だけ、別の視点で診てもらう機会を持っていただけたら——そう思いながら、今日も施術をしています。

現在、名古屋市・春日井市エリアへの訪問施術(水曜・日曜)を限定でご相談承っております。

「どこに行っても改善しなかった」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

※車でお伺いいたします。駐車スペースのご用意をお願いできますと幸いです。


著者:野田 憲(ノダ ケン)
理学療法士・はり師・きゅう師。愛知県春日井市にて20年以上のキャリアを持つ。整形外科クリニックでのリハビリ勤務と並行し、KEN Acupuncture & Manual Therapyにて完全自費・完全予約制の施術を提供。大東流合気柔術で培った「力に頼らない体の使い方」を施術に応用している。

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