「鍼って、本当に効くんですか?」
こう聞かれると、私はいつも少し間を置きます。なぜなら、かつての私自身が、この疑問の答えを知らなかったからです。
専門学校に入って、最初に思ったこと
正直に言います。私が鍼の世界に入ったのは、何も分からないまま専門学校に進んでしまったからでした。
実際に鍼を打ったり、打たれたりしましたが、感覚がよく分からない。楽になっているのかさえ、自分では判断できなかった。しばらくは「鍼は効かない」と、心の中で結論づけていました。
ただ、一つだけ不思議だったのは、鍼を打たれてもほとんど無痛だったこと。打ったことさえ分からないような、あの独特の感覚。それだけは、今でも覚えています。
腰痛で動けなくなった日
免許を取得してから、ある治療院でお世話になっていた頃のことです。
そこでは、治療師たちの間で話題になっていた治療法がありました。たまたま、その本が院内にあった。そしてたまたま、私が強烈な腰痛になってしまったのです。
立つことさえままならない状態。院内でありとあらゆる治療を受けましたが、良くなるどころか悪くなる一方でした。
そのとき、「あの本の通りにやってみよう」という話になりました。
たった2本。
2本の鍼を打ってもらっただけで、私の腰痛は7〜8割以上楽になりました。立って歩くのに、何の支障もなくなったのです。
「効かせる」という仕事
あのときの感服は、今でも忘れられません。
鍼というのは、こんなにも速効性をもって、本当に効くものなのかと。その本を書いた先生のもとに習いに行くことを、すぐに決めました。
それからは、一つの問いが私の仕事の核になっています。
「鍼は効くのではない。効かせるのだ。」
そして、科学的にどうその効果を及ぼしているのか。この問いは今も、私の中で続いています。
「鍼は効くんですか?」という質問への答えは、もう迷いません。ただ、その効果は術者の技術に大きく左右されます。だからこそ、私は「効かせる」ことに向き合い続けています。
※ 効果には個人差があります。

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